Cursor VP登壇!「AI Engineering Summit Tokyo 2025」参加レポート & 最新アップデート情報

Cursor VP登壇!「AI Engineering Summit Tokyo 2025」参加レポート & 最新アップデート情報

最終更新日:2025年12月17日公開日:2025年12月17日
柳澤 大志
writer:柳澤 大志
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2025年12月16日、浜松町コンベンションホールにて開催された「AI Engineering Summit Tokyo 2025(主催:Findy Tools)」に参加いたしました。

本サミットは「AIが変えるプロダクト開発の未来」をテーマに、国内外のトップランナーが集結する大規模カンファレンスです。特に今回は、世界中のエンジニアから注目を集めるAIエディタ「Cursor」のVP of Developer Experience、Lee Robinson氏が登壇し、次世代の開発体験について語りました。

本記事では、講演内容およびCursorの最新アップデート(v2.2等)情報を交え、これからのソフトウェア開発がどのように変革していくのか、その最前線をレポートします。

引用:https://techplay.jp/event/987338
引用:https://techplay.jp/event/987338

「エディタからパートナーへ」開発プロセスの再定義

今回のサミットで最も強調されたのは、Cursorが単なるコード補完ツールではなく、「自律的な開発パートナー(Agent)」としての地位を確立しようとしている点です。

従来の「人間が書き、AIが補助する」というスタイルから、「AIが提案・検証し、人間が意思決定する」という新たなフェーズへの移行が示されました。

Shadow Workspaceという革新

最新のアーキテクチャとして紹介された概念が「Shadow Workspace」です。 これは、AIがユーザーの作業を阻害することなく、バックグラウンド(隠しウィンドウ)でコードの実行やLint(静的解析)を行う仕組みです。

これまでエンジニアは、AIが生成したコードを自身の環境で実行し、エラーが出れば再度修正依頼をする必要がありました。しかし、Shadow Workspaceにより、AIは「この変更でエラーが出ないか」を自ら検証した上で、確度の高いコードのみを提案できるようになります。

「コンピュータから離れていても」開発が進む未来

Cursorが掲げるビジョンの一つに、「すべてのフロンティアへの挑戦」があります。 例えば、会議中や移動中であっても、AIエージェントがバックグラウンドでバグ修正を行ったり(BugBot)、チケット管理ツール(Linear等)と連携して実装準備を進めたりする。そんな「エージェントありき」の開発体制が、もはやSFではなく現実の実装として始まりつつあります。

開発スピードと質を変える最新機能

講演および直近のアップデートで公開された、実務を変革する主要機能について紹介します。

「Composer & Agent」処理速度最大4倍速の開発体験

Cursorの中核機能である「Composer」は、処理速度が従来比で約4倍に向上。さらに「マルチエージェント」な挙動が強化されています。 複雑なタスクに対して複数のモデルが裏側で並列思考し、AI自身がそれらを評価(Judging)することで、最適な解決策を提示します。また、ブラウザプレビュー機能の連携により、デザイン変更をリアルタイムで視覚的に確認しながら実装することが可能になりました。

「Plan Mode」曖昧さを排除する設計支援

「何を作りたいか」という抽象的なアイデアを、具体的な実装計画に落とし込むモードです。 最新版ではMermaid記法による図解生成に対応。クラス図やフローチャートを即座に可視化することで、エンジニアだけでなくPMやデザイナーとも共通認識を持ちながら仕様を策定できます。

MCP (Model Context Protocol) による外部連携

技術的な大きなトピックとして、MCP(Model Context Protocol)への対応が挙げられます。 これにより、Cursorはローカルのコードベースだけでなく、社内のデータベース、Notion、Slack、Linearといった外部ツールの情報を「コンテキスト(文脈)」として直接参照できるようになります。「先週のSlackでの議論を踏まえて」といった、より高度で文脈に即した指示が可能になります。

私たちが目指す「AI駆動開発」の姿

今回のサミットを通じて、ソフトウェア開発の現場における「エンジニアの役割」が大きく変化していることを再確認しました。Cursorを全社に導入している当社でも最新のAI駆動開発の情勢を注意深く見ていきたいと思います。

コーディングからの解放と、設計への集中

リファクタリングや単純なバグ修正、テストケースの作成といったタスクは、今後AIエージェントが主体となって「Shadow Workspace」内で処理されるようになります。 これにより、エンジニアは「コードを書く」時間よりも、アーキテクチャの設計、ユーザー体験(UX)の向上、そしてAIの成果物をレビュー・ディレクションする業務に、より多くのリソースを割くことが可能になります。

職種を超えた共創

Cursorが目指すUI/UXは、エンジニア以外(PMやデザイナー)にとっても親和性の高いものです。 Plan Modeでの図解や、Composerでのプレビュー機能を活用することで、職種の垣根を超え、プロトタイピング駆動で高速に価値検証を行う開発フローがスタンダードになっていくと考えられます。

まとめ

「AI Engineering Summit Tokyo 2025」は、AIが単なる効率化ツールを超え、開発チームの一員として機能し始めていることを強く印象づけるイベントでした。

当社においても、こうした最新のAI技術を積極的に開発フローに取り入れておりますが、今後もより開発生産性の向上はもちろん、本質的な顧客価値の創造に注力してまいります。技術の進化と共に変わり続ける、当社の今後にご期待ください。

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